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朝起きて世界があまりにも眩しくて目が開かないので眼医者に行く
スーツを着てサングラスをかけ自転車に乗る
無力無善寺でマスターに2000円借りる
「もっと早くこなくちゃだめじゃないか」と眼医者の先生に言われる
「はい」
いつでもどこでもそうだった
俺はもっと早くいかなくちゃだめだったんだ
コンタクトを取ろうとして爪を目に突っ込んだまでは良かったが
それから市販の目薬をしていたことと、
それでもなおコンタクトを入れ続けたことが悪かったらしい
市販の目薬には防腐剤が入っていて、目が傷ついた場合防腐剤が毒の役目を果たしてしまうのだ
目薬を刺すと尋常じゃなくしみて「すげー効くなー」と思っていたんだけれど
それは効いていたというより、毒がまわっていたということになる
だから尋常じゃなかったんだろう
良薬口に苦し、というかただ単純に「苦いだけ」というようなことは世界でよくある出来事である
政治家のチラシを配っている人がいる
彼らはただ配ることが目的で俺たちはただそれを捨てることを目的としている
花の子ルンルンみたいな化粧をしたお婆ちゃんとすれ違う。