俺たちは
いつだって富士山の一合目辺りで下山したりする
真夜中に鉄塔に昇ったりしない
せいぜい丈の短いスカートをはいた女の子がいる喫茶店
おもしろいことを探している
エロ限定しりとりを朝まで無邪気に続けたりする
サッカーが出来なかったらジダンはただの禿だと主張してみたりする
たまに皆で黙って爪の三日月を見たりする
俺たちはセリエBにも通用しないただのガキだ
プレミアでも
ブンデスリーガーでも
リーガエスパニョーラでも
トルコリーグでもFCポルトの二部の補欠にさえなれない俺たちはくずだ
晴れてJFLの試合で俺はファンタジスタ振りを発揮するだろうか?
違う、どうか俺のところにパスが廻ってきませんように、とこころの中で祈るのだ


空想の友達を作ったりする
おおっぴらにオナニーの話をすることが、広いこころを持った人間なんだと信じたりする
俺は何も分かったりしない
グラビアアイドルの胸の谷間で平気で完全に慰められたりする


キム
1000円貸してくれ
キム
女は存在してるだけで詩だ、と童貞でも言い切れ
キム
死んでも歯を食いしばって死ぬな
キム
狂気はありふれている
そのなかにいて客観性を保つことに全力を注げ
キム
おまえが今日は4回オナニーしたら、キム
俺は5回するだろう
キム
人生は勝ち負けじゃない
キム
孤独を恥じるな
キム
おまえは今日本当に生きてちゃんと葛藤しろ
キム
俺はまだまだ恨まれているか?
キム
歴史解釈やなんかは後世の、後世のガキに任せて
キム
俺たちにとって価値のあることはいつでも、
シーソーの端からはじまで全力疾走で駆け抜けることなんだぜ!
キム
キム
キム












キム



そうだろう?



今夜48号鉄塔の真下に宝物を隠そう
もう発芽することのない腐った向日葵の種や
例えばほとんど自分だけにしか価値の無い欠けたビー玉だとかメンコの切れ端
仮に三百年生きたとしても題名さえ書けそうにないようないつまでも作りかけの詩のようなもの
そんなようなものを