桜のとき 〜再会〜 前編
































やがてさくらの花びらに祝福される。









































ふくろはぎの美しいOLも禿げたおっさんも
誰もが携帯を桜の花びらに向けていてきれい
このさくらの花びら舞い散る様子は、
歴史上すべての科学者と院生が全員まばたきをせずに観察し続けたとしても
見えない
みんな敷物やブルーシートの上で小石の先端をケツに当てて静かに座っている
誰かがコンビニに買出しに出かける
そして知らない人たちがトイレでわーわー行列を作ってる
俺は空のワンカップをあおりながらミニスカートの女の脚を眺める
俺はミニスカートの女が連れているミニチュアダックスに眺められているといわけだ



































彼は大道芸人ではない-









































人込みの中をまるでそれが花道であるかのように闊歩する
右足にプーマのスウェードペレブラジル
左足にコンバースALL STAR GE HI
元々何色だったのかどんな素材であったのかが分からない服を着て
地面まで伸びきった髪の毛は
空き缶やだんご虫や土けむりやその他のすべての雑なものを
まるで磁石がそうするようにまき沿いにして引き連れて歩く
浅黒い肌と、
覗く 鋭い眼光
右手には未だ白紙の詩集
左手には最早すりきれた指紋
ナップザックには一本の道しるべ
詩人殺しの名刀
ロイヤルキムブレード



















つづく