アンティークアンテナ


今日の現場、豊洲
埋立地
どことなく海の風が吹いてる気がする
立ち並ぶタワーマンション
数本の建設中のクレーンの谷間にある空き地で子供たちがフットサルをしてた。



通勤の車内で
ぶつかったとかフザけんなとか言って喧嘩がはじまって
若者がおじさんに「次降りろ」とか言ったら
おじさんが「俺は自分の降りたいところで降りる」とか言って
若者が「じゃあどこまで行くんだよ」って言ったら
おじさんが「俺はどこまでも行く」とか言ってジョバンニみたい。
それから若者が「迷惑だから次で降りろ」とか「黙れよ」とか言ってたけど
おじさんは「日経平均株価とダウ工業株価の違いがお前にわかるか?」とか言い出したりして
若者はあとはだいたい黙っていて
日本は
殺伐としているのか平和なのか微妙




お疲れ様ですとか言っても無視してる連中は何なのか?
群れて携帯のテレビを見ているおれと同世代の奴ら
ナチュラルローソンでおにぎりとカップヌードルのカレーを食う
職長がうちの社長と昔よく路上なんかで乞食のように酒を飲んでた人らしく目のキラキラしたかわいい人だった





帰りに池袋駅で座って氷結を飲んでいたら
変な人が俺の目の前に自転車をとめてかばんから
ぶあつい仏教の本を取り出し
「すいません、差し上げます。読んでください」と言ってきて俺は反射的に断った
するとさみしそうに自転車に乗ってどこかに行った
もしかして前世で東インド会社に勤めていたときの同僚だったかもしれないのに
なぜ俺はほんの中身を確かめないで断ってしまうのだろう
そうして俺は群集に対して社会に適応できるふりを続けていたいとくる
この仏教のぶあつい本を俺に渡そうとする人は変な人ですけど
ぼくはまともな労働者であり谷川俊太郎と対談したこともあるんです、と言いたいのだろうか
酔って女の体ばかり見ているくせに
情けない日本の父親のオレ