シラフブルグ



やがて瞳孔が開き
鼻の穴と口からエクトプラズムが出てくる
耳からも少し煙が出ている
全身の毛穴がこそばゆく
挙動不審にならないように勤め過ぎてしまうものだから
両手が汗でずっと濡れているようになっているから
携帯のメッキは剥げていくし
煙草が湿って折れて
ライターが使えなくなる
今この場で
ただうずくまらない為に歩く
歩道と歩行への意識の集中
マンホールの美しい模様をやりすごす
伝説の勇者たちの街、シラフブルグ。