日記


昼過ぎに起きて
夕方、丸と近所の公園に行く
土日の夕方の公園は割りと
お父さんが小さな子供を連れてさまよっている
小学生の女の子姉妹二人と丸が勝手に遊びだしてる
彼らの世界には自己紹介はない
俺と向こうのお父さんには適当な距離がある
向こうのお父さんはベンチに座っている
俺は寒いのでジャンプしたり
なまり気味の体を動かす
アキレス腱を伸ばしたり
木に向かってシャドーボクシングをする
十五年くらい前、
青森から東京まで二人合わせて現金50円でヒッチハイクで帰ってきたときの友人に
車待ちをしている時に
お前シャドーボクシングだけ上手いなと言われたことがある
そうだ
俺はシャドーボクシングが上手い
だが今人を殴る気がない
そういう本能に傷をつけた
あれは手術だった
俺が俺に施した



小学生の姉妹は
丸をかわいがり
やさしく接してくれていた
雪の残りを渡したり
ただ走ったり
ジャンプして追いかけたり
そして笑う
それだけのすばらしい世界





それから俺は
小学生と中学生の区分けの意味や
世界中で行われている両親による虐待についてのフォロー〔両親へのフォローも含む〕
丸と小学生姉妹に壁は無いのに
俺と小学生姉妹に壁があるのはなぜか、などについてマイコンピューターで再構築しているうちに
小学生姉妹たちが帰るらしく
丸が向こうのお父さんに何かをもらっているっぽかったので
流石に俺も近づいてお礼をいい
小学生姉妹にも「またねバイバイ」といい
さあ丸かえろう、といったが
丸は丸自身がパワーショベルと化し暫らく砂を掘りだしたので、そばでシャドーボクシングをしていた。




夜、
絵里が亀田がボクシングやってるよと言うので見た
次男の世界戦だ
判定だったけど泣けた
一時は日本中にボロカスに言われたのにな
よくやったよな
おめでとう
お父さんも泣けただろう
お父さんもどこかでおめでとう
日本人全員を敵にまわせる「家族」なんて今いるか?














丸・・・今年の春に3歳になる長男