日記

役所で声をあらげ
ゆっくり自転車をこぎながら家に帰って
寝て
つげ義春のさぴれた温泉街をうろつくような漫画を読んで
昨日家をでる時に丸が
「お父さんと遊びたい、お父さんと遊びたい」と泣きそうになりながら言って
ああ俺も小さな頃に同じことを思っていたと思い出し胸が痛くなり
でも床屋で
若い女の子に髪を洗ってもらっていたり肩を揉んでもらっていたりすると
だんだんその子が好きになってきそうになったりする
丸は公園でみんなに呼びかける
滑り台の上で「みんなーここからすべろうよー!」とか
砂場で「ねえー、きみは何してるのー?」とか。
それでたいがいは無視されてしまう
丸はただ自分がノンタンアンパンマンになっているつもりなのかもしれない
俺は丸が自分のように孤立して育つことを考えると恐ろしくなる