2011-07-30


保育園に丸を迎えに行く
丸は俺を見つけるとニカッとして俺の胸に飛び込んでくる
そういう時には幸福を感じる
こういう幸福の感じ方は今までの俺の人生にはなかった


昨夜は丸を叱り
丸は泣きながら咳き込みゲロを吐き
エリと教育方針の相違について少し話し
家庭の中にあっても俺はアウトサイダーだなと少しぐれていた


今朝、丸は早起きで
俺が起きるまでスケッチブックにクレヨンで絵を描いていた
少しずつ思うように描けるようになってきてるな
存在というものを手に入れ
孤立と外界に戸惑いながら
自我と愛を成長させる
しめらせたガーゼで指についたクレヨンを落としてやる



布団の上で見つめ合い
仮面ライダーの話しをし
俺の顔を蹴り
俺の背中の上を転がっている



これほど、
他人の体と接触しながら
神経が過敏にならないという体験ははじめてだ
俺は男なら殺したいと思うだろうし
女なら犯したいと思うだろう
俺はたぶん怯えている
丸はもともと、俺のちんこから出てきたので
俺に近いのかも知れないね



人間の子どもは
親を受け入れるしかないという宿命を背負っている
実のところ丸は、全存在をかけて俺を受け入れる
親である俺は、所詮打算と愛を天秤にかけている




送り迎えの最中に丸が静かになると不安なる
地球に失望しているんじゃないだろうかと。
俺が子供の頃は、そうだったのかも知れない
自転車を運転しながら後ろに手を回して丸の手を握ると心があたたかくなる
丸は俺の手を振りほどき俺を叩く
こういう出来事は安心する。