ラヴミー千駄木

無敵になって全身が点滅している
それは
世界でもっとも無防備でもっとも傷つきやすい者から俺に送られたのだとミューズが言った
グランドポエムマスターの権利を放棄してからというものミューズが俺にとり憑いてしまって
この三日延々と頭のなかを言葉が流れ続けていて
流れ続けているから逆にもう書き留める気が失せて無視してて
詩よりよいものをみつけにいくからさようならという人が稀だったらしく
ミューズは少しくやしくなって俺に興味を持ったらしい
ミューズは人によって見えるかたちが違うのだが
俺の場合は、
羽根のはえた腹が出たトランクス一丁のおっさんで
みんなにはみえないかたちで俺の右肩で寝ていてたまにおならをこいたりするので
あまり執着する気になれない