E君と会う
科学は詩を証明する、
と以前E君が言った言葉が気になって
また自分の建築の仕事の現場がE君の家の近くだったので連絡をとってみたのだ
そして、科学は詩を証明するというテーマで原稿を依頼しそれは受け入れられた。
小雨の振る中コンビニのまえでビールとそしてワインを飲んだ
寒いなか路上で飲み話し続けるという行為には情緒があると思う
以前E君が、
詩のよいところは著作権がないところと
公衆の面前で発表したところ、
詩にも著作権はあるとみんなに言われたらしい
それからE君は少し詩と距離をおくようになったという
E君は恋人の家に行くというので飯田橋で別れた


今日は早く帰ると言っていたのでお嫁さんの絵里子が不機嫌だった
美術の教科書に載っている裸婦の絵はなぜ若干太り気味なのかと絵里子が言ったので
その一行はなかなかいいなと思った
E君と秋のステージに向けてお笑いをやることにした
夢でUさんと世界朗読大会みたいなのに出席して俺は最後の一分くらい暗記したはずの詩を忘れて
適当にごまかしたステージングを披露し、
演目しながらああやばいなぁ・・と思っていたのだが
優勝して地球1になって
客席の鳴り止まぬ拍手にただ礼を繰り返すしかなかった
職場の老夫婦が俺と家族の身寄りを心配し
俺の意思とは無関係に就職を斡旋してくれようとしてくれることに
うざったさとやさしさを同時に感じる


いやー


俺一人の力で世界をどうにかしようとしていたなんて
俺はそんなかわいい自分を尊敬する
俺、乙というか
君よくそんなにがんばってこれたねというか
けどたぶんまだわかってないかも。