雀の頭にだんご虫がたかっていたので
振り払って
どこに埋めようかとさまよったあげく
川に流した
幼くして落とされた命はあまりにも尊くはかない
君は土に還り誰かの養分になる必要はない
生態系はぐるぐるまわる必要はない
飛べ、光の中へ







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君に水を含ませようとしたとき
君はびっくりして首をふるった
きみは元気でただ寝るところなのかと俺は少し思った
けれども雀は道路で寝たりしない
鳥は道路で寝ない
鳥は浮浪者ではない
旅人なのだ


だんご虫を払ったとききみの顔があってよかった
だんご虫が君の顔を覆いつくしている時、野生だなと思った
だんご虫に恨みはないけど、この子は特別なのです



きみをタオルに包んで歩いているとき
犬がにおいを嗅いでいたね
牙があるくせに鎖につながれているなんて間抜けな奴ら



俺は雀が干からびたり、餌食になっているところを見たくなかった
生態系などどうでもいいし、弱肉強食など関係ない



俺の脳の回路やエゴと自己愛
あるいは俺は、いいことをしたと思っているのかも知れないね
俺はスズメの王に面会を申し込んでいる
そしてそれが君には伝わらない
だから君のことが、あまりにも愛おしい