息子との生活

丸と区民プールへ
自転車で行きたいというので手押しバーで押す
何度言っても右と左を覚えないので苛つく
更衣室は狭く、男の裸体と触れ合いたくないので待機する
大人用のプールで丸と抱き合うようにしながら
人気のないほうへ人気のない方へとさまよう
不自然な日の焼け方をしている監視員が
メガホンで何か注意を促しているが何を言っているのか分からない
丸は俺に抱きついている
俺は丸を空に投げたり
一瞬手を離したりして
丸は「たすけてー」とか「きゃはは」とか。
丸が俺の頭を押して沈めてしまおうとするので
両手で丸の腰を抱き上げたままもぐり続けていると
心配した丸が俺を引き上げようとするのが愛しい。
すげー久しぶりにスクール水着とか見ちゃうと燃えちゃうよね
最近、ロリコンの意味が分かってきた
なるほど俺もロリコンになるのかも知れない
プールの中で体を密着させているカップルがいたけど
あの二人はそんなに嫌いじゃない
むしろ男子学生の群れに対する嫌悪感だけが高まる
群れる日本男児を信用するな!


丸にとって右と左とはなんだろうか?
12時半には二人でプールを上がり
紫色の唇をした息子と更衣室でビスケットを食べ
行きと同じ道を通って俺たちは家に帰った


丸は、
この道みたことある。
と言った。


刺青の上にでかいバンドエイドを貼ってそこだけ白かったから
帰って嫁さんに笑われた。