日記


絵里が仕事をして一年
前々から疲れがみえていたが、ここんとこちょっとあれだ
俺のライブに来て吐いて寝ちゃうくらい人間関係が下手だ
ポエケットという詩の即売会の時も吐いてたな
ふだんはそんな吐いたりしないが。
繊細なんだろう
そして繊細に見せないようにしている
そういうところは俺と似ている
むりやり周囲に対して平等に一貫した態度をとろうとするところとか
俺と似ている
権力に対して反抗的なところとかも俺と似ている




おとといの夜に飲んで昨日は雨だったので保育園を休んだ
まあだめな親だなあと思う
丸はiPhoneをしてからソフトプロックで遊んだ
俺は寝た




絵里は氷結グレープフルーツを飲みながら帰ってくる
すこし酔いながら「まるぅ、すきぃぃー」と言って丸にキスをする
丸は最近ドラえもんはまっている
あとはiPhoneのゲーム類
ドラえもんやゲームについての絵を書くこと
「投げバナナ」という相手をこかせるオリジナルのひみつ道具を考えたり、最近はそういう設定にも凝ってきている
丸はわがままだが早熟だなと思う
俺は幼い頃、わがままに生きれなかったのでそれはすこしプレゼントのつもりだ



酔って弟の連れに連絡をとる
葬式以来だ
弟にいかに人生の糧を得たか、ということについて熱く語ってくれた
彼もブルーハーツが好きで、いつか一緒に飲もうと約束した




保育園につくと、丸は自転車の後部座席で寝たふりをしてしまう
しろくま組の同級生が「丸くんどうしたの?病気なの?」と丸の頭をさわる
夕方の丸は元気だが
朝の丸はシャイだ
丸はほとんど誰にも挨拶を返さない
照れもあるっぽい
実社会というものが、絵本のようには楽しくないんだということを悟りはじめているのかもしれない
そうするとパパとママは嘘つきになるな