近藤くん

近藤くんと月曜の昼に飲む予定だったがちょと行けなかった
たまに会う
年に一度とかか?
近藤くんがたまに東京に来るときに。
近藤くんとは数年前に白山の朗読会で出会った
その後にすぐ新宿MARZSSWSで同じトーナメント表に名を連ねて
すぐに仲良くなった
近藤くんはロフトプラスワンで朗読会の主催をして
俺はウエノポエトリカンジャム3の実行委員長を務めた
京都では朗読会を二人で共催したり(汚点紫2Days、あれは扇風機がまるで役に立たずに熱かった。)
何しろ、詩というものに燃えていたしな
何か起こそう、起こせるって気概があった。
世界を変えるのは俺たちだ見とけ!みたいな。
近藤くんが新宿で事件を起こす前の日だかその前の日だかに
俺たちは確か千葉の海で相撲をとった
近藤くんが、歌手としてのミキくんをプロデュースするという話しをしていて
でもなんで俺がプロデュースしなきゃなんねーんだよ、とも言っていた
俺はある種空気を読まないので、そこは少し反省した
近藤くんが病院から出てきて、たまに東京にもまた来るようになって
近藤くんの行きつけのゴールデン街の店なんかで会う
水割りをゆっくり作ってくれる近藤くんはすごくやさしい
ホステスのようだ
ミキ君は世に出るべきなんだけどねえ
とかぼそっと言う。
そしてニカッと笑う。
前、飲んだ時にミキ君は俺のことプログに書かないねえ、とか言って
子どもみたいなところがある
1000番出版から詩集が出たときも、これで言葉に責任持たなくならないといけないからやだなあ、とか言ってた
かわいらしい。
大人社会の問題を抱えてしまった小学五年生のようだ
いつかまた世に出ようぜ、と俺たちは以前より力なく言う
近藤くんはいま、自宅療養を続けながら週に数日八百屋で働いている。