月曜にオナニーをしていたら葛西が来たので追い返した
こう、大人になるとなかなかアポ無しで友が訪れないので新鮮だよね 追い返したけど
俺たちは小学生なのかと思ったよ
兎と、知らない連れを連れてきていた
土産だという発泡酒を受け取り、また連絡すると言って俺はドアを閉めた
オナニーをしながらアポ無しで友を訪れる良さについて少し無理やり考えた



ブラウザ銀河大戦 5鯖 二期
惰性で一日5分とかやってる
Lv50
連合メンバーも次々と赤ランプ(一定期間ログインしていない状態)が灯っているし
完全にオワコンという雰囲気が流れている
オワコンというのは「終わったコンテンツ」というネット略語らしい
全体チャットは限られた一部の人の雑談場と化しているし、
(ネットゲームは全体チャットによって世界観が壊されることがしばしばある。全体チャットという概念自体疑問に思う)
一期から二期にかけてのシステムの改悪(他のPCを占領、捕虜できない)で
とても「銀河大戦」とは思えないような状況だ。銀河農場という感じ。
これはウルティマオンラインのセカンドエイジからルネッサンスにおける改悪に似ている。
ユーザー(クレーマー)の声に耳を傾けて、世界観を変更することはナンセンスだ
一時的な金儲け(運営側)や快楽原則(ユーザー側)が、結局全体的な利益を損なうということだ
宇宙銀河を舞台とし、司令官にオリジナルの画像を取り込める、ということでこのゲームをやり始めたけれどとても残念に思う。



野央(のえ)の親からたまにメールがくる
一斉メールだが。
野央とは歌うたいであり、約20年前新宿のガード下で互いに切磋琢磨しあい
しばらくうちに住んでいたこともあった
野央が歌うと、ガード下の空気が静止し、ああいう歌手はまじでそんなにいない
俺に言わせると唯一の実際に会ったことのある歌姫だ
性格が破天荒で正直者であらくれているので、アクシデントを度々起こしたが慕う人も多かった
同性にはあまり好かれなかったのではないか
それは多分彼女が、女性同士が守り合う暗黙の了解を簡単に破るからだ
そこには性差を越えた人類の可能性がある。


数年前、事故に近いかたちで自殺をし
俺は東京の追悼ライブの主催をした
追悼のライブは日本の何箇所かで行われた
俺は追悼とかっいってハンカチを取り出すガラじゃないし、誰かが死んでから急にみんなでそいつのことを語りだす雰囲気みたいなのが嫌いだ
だが、あの寂しがり屋の不器用の為に、弔わなければならないと思った


俺がガード下で歌わなくなり、はやいもので遊んでいた頃
あいつは活動場所を関西にうつした
京都で演劇をしていたという噂を共通の知り合いに聞いたり
西成で日雇いのおっさんたちと焚き火をしながら歌を歌っているとも聞いた
野央は東京にいた頃もちょくちょく山谷に出かけて歌っていたというような記憶がある



精神科の病名はさまざまな名前がついているが、全部含めて「不器用」でいいのではないかと思う
みんな高倉健みたいなものでいいじゃねーか
ある病名がつき、それから安心して悲劇的な私というアイデンティティのあぐらで暮らす
その図式が嫌いだ
私がいかに多くの薬を飲み、そしていかにそれに効果がないか
そもそも、社会自体を信じていない精神科の患者が、精神医療という概念を信じているのか?という矛盾がある



カミングアウトというのは別の箱から違う箱に入る儀式という気がする
なぜ、また箱に入るのだろう?
カミングアウトはたいていある種の公の場で行われる
だが、カミングアウトされるものが最終的に生かされるべき場というのは、極めてありふれたごく私的な場においてだろう
なぜ、毎日小さなカミングアウトすることによってその分裂を避けないのか
ジャンルが確立されたものなかに所属することによって、また自分自身の全体像を台なしにしているのではないか